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2014年10月17日10時00分

日本初!『女性アスリート外来』が始動

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「女性アスリート外来」設立時に多くのメディアが駆けつけ質問に答える鯉川なつえさん(写真右)
「女性アスリート外来」設立時に多くのメディアが駆けつけ質問に答える鯉川なつえさん(写真右)
研究成果を活かす場所

 女性を総合的にケアする『女性アスリート外来』が10月からスタートした。これは、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業によって、「女性スポーツ研究センター」が順天堂大学に設立。そのことで、同大学が誇る医学研究科とスポーツ健康科学研究科のコラボレーションによる研究体制が整い、同外来が誕生。スポーツを行う女性を総合的にサポートする施設は、日本国内で初めての試みとなる。

 今回は、立ち上げに尽力した女性スポーツ研究センター副センター長の鯉川なつえさんに外来の目的や将来の展望などを話してもらった。  「様々な女性アスリートを研究しているなかで、女性特有の悩みを持った選手に数多く出会いました。安心して、より多くの女性選手が常にベストコンディションで競技に臨めるようになってほしいという思いがあります」鯉川さん自身も長距離のランナーとして、日本学生選手権1万メートル優勝、世界クロスカントリー大会やユニバーシアードマラソン日本代表として活躍。そうした現役時代の経験の中から『女性アスリート専門』の病院があればというところから実現した。

女性スポーツ研究センターセンター長小笠原悦子さん(写真右)、副センター長鯉川なつえさん(写真中央) 北出真理さん(写真左)らで女性アスリートをサポートしていく
女性スポーツ研究センターセンター長小笠原悦子さん(写真右)、副センター長鯉川なつえさん(写真中央)
北出真理さん(写真左)らで女性アスリートをサポートしていく
女性特有3つの危険を予防

 鯉川さんらが研究してきた中で、女性アスリートに一番大切なことは、エネルギーをきちんと摂取できているかということだ。「女性はエネルギーが確保されていれば、正常な月経が起こります。正常な月経が起こっている人は、運動強度に耐えられる十分な骨密度を持っています。しかし、例えばトレーニングが優先されて、エネルギーが不足してしまった場合には、月経が来たり来なかったり、もしくは完全に止まってしまい、そのまま放置してしまうと、疲労骨折や頻繁に怪我をするなどの症状が出てしまうんです」

 月経が来ないことで、エストロゲンというホルモンが分泌されなくなる。このエストロゲンは、骨が壊れないように予防する働きをしており、分泌されていないと、破骨の抑制できないため、骨がもろくなる可能性が高くなる。また、そもそも食べる量が少ないとカルシウム摂取量も少ないので、骨粗しょう症にも移行する。「エネルギーが不足しているか、していないか競技を行っているアスリートがわかるかと言われれば、答えはノーです。運動で痩せているのか、筋肉がついたのか自身では分からないことが多くあります。無月経・骨折となれば専門の病院に行きますが、エネルギー不足で病院にいくことはありません。2つ(無月経・骨折)は病院に行けば処置をきちんとしてくれますが、無月経だけで骨折する可能性は検査しませんし、骨密度の測定もしません。整形外科にかかったら、選手が無月経かどうかの調査もしません。そうすると、また同じことを繰り返してしまう可能性があります」

 エネルギー不足(摂食障害の有無に関係ない)、無月経(視床下部性)、骨粗しょう症は、女性アスリートが陥りやすい3つの障害。婦人科・整形外科・栄養価の専門医と連携をしながら、総合的にサポートできることで、怪我の再発や体調不良の予防を行う。

将来は地方でも処置できるようになる

 女性アスリート外来と名付けられた当院。受診できるのはトップアスリートのみなのだろうか。「いえいえ、トップアスリートのみでなくスポーツを行っている女性が対象です!年齢も競技力も関係ありませんし、どのような種目の人でも外来できます。まずは、気軽に電話で問い合わせてほしいですね。私としては、小中高生に来てほしいですね。栄養指導が入るので、早い段階から栄養が大切だと気が付いてくれれば、将来怪我をする可能性が低下しますからね」

 当外来は、御茶ノ水と千葉県浦安の2つ。地方に住むアスリートが頻繁に通院することは困難だが、将来的には地方でも受診が可能なようにしていきたいという。「当外来で集まったデータをベースにして、たくさんの人に見られるような環境を整えていければと思っています。地方の病院でデータを参考にして、こういう時にはこういう処置をとればいいんだなというようになってほしいですね。ここに来なくても地方の産婦人科や整形外科が処置を施してくれるように普及させていきたいです」


予約・問い合わせ(完全予約制)
順天堂大学医学部附属 順天堂医院 電話番号03-5802-1585
 予約電話受付時間:平日 9~12時、13~17時、土曜 9~13時(第2土曜日を除く)
順天堂大学医学部附属 浦安病院 電話番号047-353-3111
 予約電話受付時間: 14~16時(平日のみ)

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