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2018年9月7日15時50分

元サッカー日本代表の加地亮氏や元プロ野球選手の江草仁貴氏が、自身のキャリアについて本音を語った『アスリートキャリアコンベンション by GATHER』

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(左から)元プロ野球選手の奥村武博氏、元サッカー日本代表の加地亮氏、元プロ野球選手の江草仁貴氏。3人が登壇しトークショーを行った
『アスリートキャリアコンベンション by GATHER』が、8月30~31日の2日間、大阪のナレッジキャピタルコングレコンベンションセンターにて、開催された。

これは本サイトが運営したもので、アスリートキャリアにかかわる人を対象に、元アスリートによるセカンドキャリアの講演やスポーツ業界で実際に仕事をしている人の実情などを通して、最新のスポーツビジネスやアスリートのキャリアを学べるというイベントで、2日間合計で200人以上の参加者が集まった。

初日8月30日には、【私のセカンドキャリアVol.1】が行われ、元プロ野球選手の奥村武博氏、元プロ野球選手の江草仁貴氏、元サッカー日本代表の加地亮氏の3人が登壇。自身のキャリアに対しての想いを話した。
奥村氏は、高校卒業後阪神タイガースに入団、2001年に引退し、04年から公認会計士を目指し、13年に合格。プロ野球選手として初めて公認会計士の資格を取得した。

「引退後、打撃投手として契約してもらえましたが、それも1年間だけでした。その後のことは考えてもいなかったし、野球界から出ていかなければいけなかったので、本当に不安になりました。

引退後は、色々なアルバイトをしながら生計を立てていましたが、この先どうしようと考えていたときに、資格ガイド本で『公認会計士』を見つけたんです。実は、高校時代に日商簿記の勉強をしたことがあったんです。あとは、高校卒業でも試験を受けられるように丁度制度が変わる時期だったので、これは自分の為の資格だと感じて目指しましたね。

今は公認会計士として、アスリートたちの相談にのりますが、それは会計士や税理士に給与をきちんと払うことのできるごく一部の人たちだけなんです。選手の意識を変えていかないといけないと思い、昨年『アスリートデュアルキャリア推進機構』を設立しました。スポーツを真摯に打ち込むことによって、スポーツ以外のキャリアでも役に立つ能力が備わっているということを伝えていっています。そのような考え方ができれば、アスリートのキャリアの幅も広がっていくはずです」(奥村氏)

加地氏は、高校卒業後、セレッソ大阪でプロサッカー選手としてのキャリアをスタート。03年10月に初の日本代表に初選出され、06年ドイツワールドカップに出場。その後ガンバ大阪に移籍し、約8年半にわたってチームの顔として存在感を発揮。17年11月に現役を引退し、現在は奥さんが経営しているカフェ「CAZI CAFE」で働いている。

「最後のチームとなったファジアーノ岡山では、契約があと1年残っていました。しかし、その1年間、全てをサッカーに捧げることが、少ししんどくなってしまったんです。1日の生活を全てサッカーに注がなくてはいけないので…それが自身の中できついなと思ってしまったんです。

また、私は1つのことしかできないタイプなので、引退後のことについて、現役中は全く考えていませんでした。ただ、サッカーをとことんやってきたので、サッカー以外の仕事に就きたいと思っているんです。今は、妻が経営しているカフェで働くことが出来ているので、そこは恵まれている部分です。今は働きながら“やりたいこと”を探している最中ですね」(加地氏)
江草氏は、現在広島市でデイサービス施設の運営を行っている
江草氏は、大学卒業後、阪神タイガースに入団し、3年目からリリーフとして一軍に定着。その後、西武ライオンズを経て、2012年に広島東洋カープへ移籍し、17年に現役を引退。現在は、広島市でデイサービス施設の運営会社キアンを立ち上げるほか、大学でコーチを行っている。

「引退については自分から球団に言いました。もう体もボロボロだったので、未練はなかったですね。私は、引退する5~6年前には次のキャリアのことを考えていたので、新たなスタートへの道のりはスムーズに移行できたと思います。やはり、2回トレードでチームを変わっているので、活躍できなければ“そこで終わり”と思い、考えていました。

デイサービスの施設運営会社を立ち上げた理由ですが、子供のころ実家で祖父母と暮らしていて、祖父母がデイサービスに通っていたんです。その時に、家で介護をすることは、とても大変だと感じていました。デイサービスを利用することで、少しは家族の負担が減ると思ったのがきっかけです。また、アスリートとして体の仕組みがある程度分かっていたので、そのノウハウも活かせると考え、設立しました。会社は現在赤字ですが、利用者の方も増えているので、これからという感じですね。社会人となり、社会というものを勉強させてもらっている最中です」

と三者三様のセカンドキャリアを話した。

その他にもスポーツビズ取締役の田中和弘氏、一般社団法人日本プロサッカー選手会のマネージャー小林慎一朗氏、四国アイランドリーグplus理事長の坂口裕昭氏、四国アイランドリーグplusキャリアデザインセンター代表の生山裕人氏が登壇。自身のキャリアや各スポーツ界のビジネスの現状などを話してくれた。加えて、企業プレゼンテーションとして、土山印刷、アイリスオーヤマが、事業説明や元アスリートの採用などについて話をした。
元アーティスティックスイミング日本代表
青木愛氏のキャリアとは?
メディア出演を通じて、幅広いスポーツに携わっている青木氏
2日目の8月31日は、午前中に予約制のワークショップを開催。一般社団法人Sports Design Lab 代表理事の清水聖志人氏と明星大学准教授の島本好平氏を講師に招き【自らが望むキャリアを実現していくための目標設定術】について指導した。参加者は26人で、自身の現在の状況や今後の目標についての考え方について学んだ。

そして、午後からは【私のセカンドキャリアVol.2】が開催。元アーティスティックスイミング日本代表の青木愛氏が登壇。

青木さんは、地元の名門クラブ・京都踏水会で水泳をはじめ、8歳から本格的にアーティスティックスイミングに転向。ジュニア五輪で優勝するなど頭角を現し、中学2年生から井村雅代氏(現・代表監督)に師事。2008年北京五輪に出場し、5位で終え引退。その後は、メディア出演を通じて、幅広いスポーツに携わっている。

「北京五輪までは、入学はしたものの大学を休学している状態だったんです。北京が終わり、復学をして、中高の教員免許を取りました。でも“本当に先生になりたいか?”と言われるとそこまでの熱はなく…とりあえず何か資格を取得しておいたほうがいい、きっと役に立つだろうと思っていた程度でした。

そんな中、大学の事務宛にテレビ局から出演の依頼が届いたんです。それを事務員の方に教えていただいたんですが、どうしていいのか分からなかったので、井村先生に相談したんです。そうしたら、先生がお世話になっているマネジメント会社を紹介いただき、今そこで、テレビ出演などいろいろなお仕事をさせてもらっています。

(メディアへの出演は)やってみて、自分が楽しいと思える仕事でしたが、ただ不安もあります。自身の競技以外にも色々なスポーツのことを知って話さないといけないので、そこは難しいですね。引退してメディアに出演する元アスリートの方も増えてきていますし、そこで生き残ろうと思ったら、しっかりと話せるスキルが必要ですから、日々勉強です」(青木氏)

と引退後の心境や今の仕事について話をしてくれた。
四国アイランドリーグplusキャリアデザインセンター代表の生山裕人氏
最後となった【四国アイランドリーグplusキャリアデザインプロジェクトについて】では、四国アイランドリーグplusキャリアデザインセンター代表の生山裕人氏に加えて、元四国アイランドリーグの選手であり、副代表の小林亮寛氏、勝沢賢一氏が登壇。

同リーグ理事長の坂口裕昭氏は『夢を目指す場所であると同時に、夢を諦める場所』と話しており、実際に過去13年間で61名をNPB(※日本野球機構)に排出している一方で、700人以上の選手たちが夢を諦めて社会人になっている。そのような現状を踏まえて、選手時代から自身のキャリアについて、きちんと考えられる場所を提供していきたいということから、このプロジェクトが4月よりスタートした。

代表の生山氏が、四国アイランドリーグの選手にキャリアや仕事について調査した結果の報告やキャリアサポートの内容、プロジェクトの趣旨、サービスの内容などを説明。

「現役時代・引退後、どのステージでもアスリートの価値が最大化される仕組みを作っていきたいですね。例えば、『競技能力にとらわれない個性の評価』や『学歴に対するコンプレックスをなくす』『アスリートと受入企業の相互理解の促進』などを、取り組んでいきます」
スポーツビジネスや元アスリートのキャリアに興味のある人が多く参加した
2日間、スポーツ界の様々なキャリアについて、ディスカッションが行われた『アスリートコンベンションby GATHER』。

今後もこのような機会を作り、アスリートのキャリアについて、さらに多くの人に関心を持ってもらう。そして、”引退してもアスリートって凄いんだ!”と、世間の人が感じてくれるようなキャリア支援を、スポーツ界と産業界が協力し、整えていかなければけない。
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