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2017年3月28日19時39分

現役アスリートに向けた『就活スキルアップセミナー&先輩アスリートとの交流会』が開催。企業に就職するためには?競技を続けていくために大切なこととは?

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就職活動の基礎知識を学ぶ参加者。先輩アスリートには積極的に質問していた
『第3回 就活スキルアップセミナー&先輩アスリートとの交流』が2017年2月下旬、東京都渋谷区・東京体育館第1会議室で開催された。これは基礎知識や業界研究など、就職に必要なスキルを身につけ、さらに先輩アスリートとの交流を通じて、競技生活と仕事を両立させる術を学ぼうというもの。

前半『就活スキルアップセミナー』の講師として登壇したのは、東京しごとセンター就職支援アドバイザーの齋藤忠さん。就職活動の基礎知識やアスリート採用について、さらにどのような考えを持ち面接に臨むべきなのかなど、今後必要になってくるスキルについて話をした。アスリートであることが、就職に有利に働くのだろうか。齋藤さんはこう話す。

「企業は困難を乗り越えて、目標を達成した経験を持つ人材を探しています。やはり、アスリートは目標を設定し、努力して成し遂げることを常にしているので、就職時には有利に働きますね。また『足が速い』『ボールを遠くに飛ばせる』ということだけを長所にするのではなく、スポーツで得たことをどのように社会で活かしていけるのかなど、柔軟に物事を考えられることができるようになれば、就職活動でとても強みとなります」
社会人になってできた競技に対する責任感
「テクマトリックス」に勤務している下大川綾華(フェンシング・エペ)。社会人になり、試合の勝敗に対する責任感が出たという
後半には、受講者の質問に答える形で、各々の就職活動の体験談、所属企業の紹介、待遇や働き方、現在の仕事の内容や取り組んでいる競技の状況等について、意見交換ができる『先輩アスリートとの交流』が行われた。

「テクマトリックス」に勤務している下大川綾華(フェンシング・エペ)や「なとり」に勤務している大橋里衣(フェンシング・エペ)ら、アスリート5名が参加者からの質問・疑問に答えた。

下大川は、2011年に就職。週1回勤務しながら、それ以外の日は競技に専念するという勤務形態。2016年の全日本フェンシング選手権大会では優勝するなど、活躍を見せている。社会人になってから、競技に対する気持ちにも変化があったという。

「学生時代、海外遠征費などは家族が負担してくれていましたが、現在は競技にかかる費用は会社が支援してくれています。時には、海外に武者修行をしにいきたいというお願いをしたこともありました。それに関しても『あなたが勝つために必要であれば』ということで、了承してくれました。やはり、試合の勝敗に対する責任感、生半可な気持ちで競技はできないという想いで続けています」
「なとり」に勤務している大橋里衣(フェンシング・エペ)。面接時には、競技に対する熱意を素直に話すことが大切だという
大橋は、2015年に就職。下大川と同様、週1回勤務し、それ以外は競技に専念する。就職のときに役に立ったのは、前職での経験だった。

「大学を卒業後、1年間高校で講師として働いていました。多くの生徒の前で話していたという経験から、面接などは苦になりませんでした。そして面接時には、とにかく競技に真摯に向き合って取り組んでいきたいという事実だけを述べました。その気持ちが、人事の方に伝わったと思います。やはり、あまり自分をよく見せようとせずに、素直な気持ちで自身の競技を話すことができることが大切です。これから就職をして競技を続けたいと考えている方は、まずスポーツに関心のある企業を見つけていくことから始めるといいかもしれません。私が就職した会社も社長をはじめ人事の方や本部長など、スポーツが好きな方で、競技活動を理解してくれました」

リオ五輪出場を逃し2016年3月に引退、4月からフルタイムで仕事をしていた大橋。しかし、リオでの試合を見て悔しい気持ちになり、2020年東京五輪を目指すため9月から現役復帰を果たした。

下大川や大橋のように、会社に協力体制があるからこそ、現役を続けていける。結果を残すために、どのように努力をして、競技に向き合っているのかを企業に見せていくことは、とても大事なこと。それに加えて『自身がどのように会社に貢献できるか』を考えながら就職活動をすることが、現役を続ける鍵になると感じる。

取材・文/太田弘樹
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