Home > ニュース > 農水省時代に感じた『漫画の力』スポーツでも漫画で地域活性化を目指す!

2017年2月3日19時22分

農水省時代に感じた『漫画の力』スポーツでも漫画で地域活性化を目指す!

  • LINEで送る
「まんが スポーツで地域活性化vol.1」(イメージ)
スポーツ庁は、2020年東京五輪・パラリンピック以降も『スポーツによる地域活性化』を支える人材が輩出されるように、スポーツで地域活性化の取り組みを行う12事例を“漫画”で紹介する事例集を作成している。

スポーツ庁地域振興担当の高下栄次氏は、農林水産省時代に作成した農業ビジネスの漫画事例集を制作した経験を活かし、今回もスポーツビジネスを漫画で紹介する。

「2007年に、中国・四国地方の農業ビジネスの実例をあげ、漫画形式で11巻作成。累計発行は、11万冊ととても反響がありました。そのうち、3万8000冊を協賛企業であるJAグループが、中国四国9県の全小学校(4200校)に寄贈しました。それから7~8年後、何が起きたかというと、全国的に農業従事者は右肩下がりでしたが、中国・四国地方だけ、新規就農者数が過去最高になるなど、この地区での農業が活性化しました。当時小学生だった子たちが、高校や短大を卒業する時期と重なっていることから、この漫画がその一助になったと思っています。種をまいてから実を結ぶまで、多少時間が掛かりますが効果はありました」

仕事の話だが“漫画”にしたことで、小学生時代から農業ビジネスに対して興味を持ち、関心をいだいたことが増加に繋がっている。スポーツの仕事でも地域で様々な事業を行っているが、具体的な取り組みを知ることは難しい。それが地方であれば、尚さら。

「やはり若者は都市部に集まる傾向です。ただ、地方でもやり方次第で、頑張っているところはあります。スポーツが地域活性の起爆剤になりうるということを、この漫画を通じて知ってもらいたいです」(高下氏)

漫画になる12事例は、スポーツジャーナリストの二宮清純氏や早稲田大学スポーツ科学学術院教授の原田宗彦氏など、有識者が委員となった委員会で選定した。

【漫画になる12事例】
・網走をラグビー合宿のメッカに! (北海道・網走市)
・日本初のバレーボール専用体育館・オガールベース(岩手県・紫波町)
・地域を盛り上げるプロバスケチーム・秋田 (秋田県・秋田市)
・ラフティングの適地として世界が注目(群馬県・みなかみ町)
・新たな中心地・公民一体型スペース・アオーレ長岡(新潟県・長岡市)
・地域密着型のクラブ経営・松本山雅(長野県・松本市)
・マリンスポーツで地域おこし・熊野(三重県・熊野市)
・スポーツを核に地域に雇用を生む・出雲 (島根県・出雲市)
・しまなみ海道 ブルーラインでサイクリング(愛媛県・今治市)
・アジア最高峰の国際車いすテニス大会(福岡県・飯塚市)
・スポーツコミッションで合宿誘致(佐賀県・佐賀市)
・世界最高峰の車いすマラソン大会(大分県・大分市)

やはり2020年以降、地域のスポーツを支えるのは、現在の中高生が対象となることから、今回は12冊を1セットにして、約2万セットを全国の中学校や高校、専門学校などに1セットずつ寄贈し、学校の図書館で読めるようにする。

また漫画を制作するのは、事例として採り上げる地区に居住する又は近隣地域に所在し、まんが制作を専攻している専門学校等の生徒たち。地域の若者が実際に取材に行き、制作することで、より若者層に響く作品になるものと考た。
(NPO)出雲スポーツ振興21を取材する比治山大学短期大学部の学生たち
完成は2017年4月中旬で、5月初旬ごろに配布が開始。また、5月下旬より販売も開始する予定だ。

「今回は12巻ですが、これを成功させて、47都道府県全てのスポーツビジネスの事例を載せられるような形にしたいです。沖縄には沖縄など、各都道府県にスポーツ事業がありますからね。スポーツビジネスに関心を持ってくれる人が1人でも増えればいいです」(高下氏)

スポーツ漫画は多くあるが、スポーツビジネスの漫画というものは中々ない。これをきっかけに多くの中高生が、スポーツビジネスを知り、将来仕事に就きたいと思ってくれれば、スポーツ界の未来はさらに明るくなっていくはずだ。

取材・文/太田弘樹
  • LINEで送る
  • sports japan GATHER キャリア支援サービス