Home > ニュース > シンクロ日本代表ヘッドコーチ井村雅代氏に聞いた 10年間「はじめてシンクロ」を続ける意義&36年間全ての五輪でメダル獲得できた理由(前編)

2016年9月26日14時47分

シンクロ日本代表ヘッドコーチ井村雅代氏に聞いた 10年間「はじめてシンクロ」を続ける意義&36年間全ての五輪でメダル獲得できた理由(前編)

  • LINEで送る
はじめてシンクロを経験する子供たちを10年間指導している井村氏。その訳とは?
今年で10回目を迎えた「ミキプルーンはじめてシンクロ2016」。全国の小学生を対象に、8月29~31日の3日間、兵庫県神戸ポートピアホテルで行われた。

リオデジャネイロ五輪でシンクロナイズドスイミング日本代表を銅メダルに導いた井村雅代ヘッドコーチやアトランタ、シドニー、アテネオリンピックでメダルを獲得した立花美哉氏をはじめ、同大会で銅メダルを獲得した乾友紀子、中村麻衣、吉田胡桃、中牧佳南らが講師&コーチになり、子供たちを指導した。

この「はじめてシンクロ」は、親子参加型プログラムで、子どもたちが熱心にシンクロの練習に励んでいる間、親は『教育』や『食育』の講座を受講。親は3日間ほとんど子供たちの練習を見ることができず、チームごとに作りあげた演目を最終日に披露することで、成長した姿が見られるというもの。

井村氏は、子供たちにシンクロを教えるときも常に真剣。「できないは言わない!泣かない!」と五輪選手に指導するような眼差しで練習を見て、時には自ら水の中に入り、叱咤激励を繰り返す。

「内容が違うだけで、はじめてシンクロをする子であろうが、五輪に出場する選手であろうが『教える』ということは、全く一緒。出来ないことが、出来るようになるお手伝いができるのは、五輪選手と同じだけ、やりがいがあります。そうでなければ10回もやりません(笑)。やりがいがある分、ものすごいエネルギーを使う、まして初めて会った子たちじゃないですか。2泊3日という短い間に信頼を得て、動かす…もしかしたら、選手を指導するよりもエネルギーを使っているかも。超短期決戦ですよ!」(井村氏)

はじめてシンクロをするからといって手を抜かない。本気で指導するから、子供たちも顔つきがガラッと変わる。最終日に、凛々しい表情で演技をする我が子を見て、親が感動するのは当然のことだろう。

「最初に来た時よりも全員の親子が明るくなって帰る、それってとても良いこと。今回のイベントように、人は誰かに刺激をもらって、影響を受けて変わる。人とのつながりを大切にしなければいけないとは、そういう事なんですよ。子供は少しずつ成長しているんです、親がそこに気づかないといけない。守ろうとするだけではなく、他人に自分の子供を託す勇気があれば、もっとたくましくなると思います」(井村氏)
メダルは『見える想い出』
子供たちも大切に取っておく
子供たち1人1人にメダルをかける井村氏。首にかけられたメダルを嬉しそうに眺めていた。写真・矢田部裕
シンクロの発表が終わった後は、3日間の頑張りを称える表彰式が行われる。各チームの講師により、修了書が授与。さらに、井村氏が子供たちに1人ずつメダルを首にかけていくと、胸に輝く金色のメダルを嬉しそうに何度も見ていた。

「賞状だけよりもメダルを貰うことで、意識って凄く変わるんです。それを見たときに、櫓を作ったこと、押しつぶされたこと、苦しみながらも演技をしたこと、色々な思い出が浮かんでくる、だからこそ年齢を重ねても捨てないと思いますよ。私にとってのメダルですか? 『見える想い出』です。それぞれのメダルを見たときに、各大会のありとあらゆる出来事が蘇ってきます。色々なことを思い出すきっかけになりますね」

後編は、36年間全ての五輪で選手たちをメダル獲得に導いてきた理由。井村氏のモチベーションを維持し続けられる訳を聞いた。

取材・文/太田弘樹
  • LINEで送る
  • sports japan GATHER キャリア支援サービス