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2016年9月2日16時41分

酔いどれDのリオ五輪外伝その2「日本におけるアスリートファーストって一体何?」

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リオ五輪開会式は選手ではなく、役員たちが先頭を歩く姿が話題となった。写真・Getty Images
スポーツ業界で働き、酸いも甘いも知り尽くすベテラン・テレビディレクターが、本サイトで連載中の『酔いどれDの妄想一献“スポーツのある風景”』。今回は、特別編として2016リオ五輪で印象に残ったシーン3つ紹介。2つ目は「アスリートファースト」について。
35分で終わる日本選手団解団式
毎度のことながら、五輪開会式の日本選手団の入場の際、気になる選手を見つけるのにひと苦労である。

一方、日の丸を掲げた旗手の後ろを歩くのは役員ばかり。しかも、元五輪選手の役員たちが主役気取りで行進する姿に幻滅させられた。この姿を日本的な慣習の一言で片付けたら、世界から嘲笑される悪しきものだと思う。

リオ五輪で日本選手団は、史上最多41個のメダルを獲得。一同が帰国し、8月24日午前10時30分から、グランドプリンス新高輪「飛天の間」でメダリスト、役員、そして多くの招待客を集め『日本選手団 解団式』が行われた。

檀上に並んだのは12人。竹田恆和氏(日本オリンピック委員会会長)、河野博文氏(副会長)、青木剛氏(副会長)、平岡英介氏(専務理事)、橋本聖子氏(日本代表選手団団長)、山下泰裕氏(副団長)、高田裕司氏(総監督)、丸川珠代氏(東京オリンピック・パラリンピック担当大臣)、田野瀬太道氏(文部科学大臣政務官)、鈴木大地氏(スポーツ庁長官)、大野敬三氏(日本体育協会常務理事)、猪谷千春氏(国際オリンピック委員会名誉委員)。

選手とコーチ350人は、フロアに並べられた椅子に着席。それを一般招待者300人が見守る形だった。
選手は全員の退出を待つことに
解団式は、国歌斉唱のあと竹田氏、丸川氏が挨拶、橋本氏の五輪報告、メダリストの名前が呼び上げられ、団旗が返還。再び橋本団長が壇上に立ち、解団を宣言し11時5分に閉式。その間35分。登壇した3者の挨拶の内容は、あまりにも残念過ぎた。

五輪を見ていた日本国民ならみんな知っている日本選手の活躍の説明だった。

一体、竹田氏は、丸川氏は、誰に向けて挨拶をし、誰の為に語ったのだろうか。橋本氏に至っては、選手たちに「五輪選手らしい責任ある行動を」と、小学校の遠足の解散前に先生が生徒に注意する常套句と変わらぬ話だった。橋本氏、ご自身の行動を振り返り、貴方、そんな事をいえるのでしょうか?

そして閉会後、退場の順番は壇上の12人が最初だった。続いて一般招待者300人が退出。約20分、メダリスト、選手、コーチは着席して、招待客が退出し終わるのを待たされていた。

そもそも誰のための解団式だったのか。前日、同じ場所でメダリスト会見が行われていた。その場で解散していれば選手たちは翌日、家族や友人、恋人や恩人と積もる話もできたのに。わずか35分間の解団式のために350人の日本選手団が東京に宿泊する必要があったのだろうか。

現役時代の橋本氏、山下氏、高田氏を知るからこそ、残念でならない。この3人でさえ、自らを「先生」だと思ってしまう日本的な恥ずべき精神構造。

メダリスト会見で「開会式の役員が先だった入場」について記者から追及された橋本団長は「役員が先だった国がいくつかあった」と返答をしていた。東京五輪まで4年の間に、世界に先駆けた「アスリートファーストの姿」を突き詰めてほしい。
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