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児童養護施設の高校生を応援
社会貢献に一役買う『大島チャレンジ!』とは?

2015年9月29日11時55分

白石康次郎さんがヨットで
児童養護施設の高校生を応援
社会貢献に一役買う『大島チャレンジ!』とは?

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Photo by Yoichi Yabe
「大人はすぐに成長を期待してしまうんです。人はそれぞれ成長のスピードが違う、その子供たちの成長のスピードを越えて大人が期待したら駄目なんです。種をまいても次の日に芽は出ないでしょ、だから、将来『この経験』を活かしてくれればいいなと思っているんです」

そう話すのは、海洋冒険家の白石康次郎さん。『この経験』というのは、彼が行っているプロジェクト『大島チャレンジ!』。これは、白石さんの出身地鎌倉にある児童養護施設(鎌倉児童ホーム)の高校生たちを対象に、施設で暮らす高校生4人でチームを結成し、ヨットによる「逗子~伊豆大島」の往復航海にチャレンジするというもの。社会の荒波に耐えうる「たくましさ」を身に付けさせたいという思いのもと、昨年から開始された。

しかし、なぜ児童養護施設の高校生たちを対象にしているのか。 「児童養護施設の子供たちは、色々な事情があってお父さんお母さんと暮らせない状態です。18歳になれば国の援助はそこまでで、後ろ盾無く生活をしなくてはいけません。乗り越えないといけない壁は多くあるでしょう。彼らの人生を背負うことはできないから、自身で乗り越えられるような力をつけないといけない。その手伝いができればと思っています」
今回参加したケンスケ、ケンタ、コーガ、マオ。ケンスケ(写真左から2番目)は来年高校を卒業して施設を出て独り立ちしなくてはいけない。Photo by Yoichi Yabe
SNSを活用した
資金集めは成功
報告会では、クラウドファンディングを通じて支援してくれた人たちが招待された
実はこのプロジェクト、インターネットを介して不特定多数の個人から資金(支援金)を集めるサービス、クラウドファンディングを活用しており、ヨット、マリーナの使用料や人件費、報告会の会場費等にかかる費用に充てている。昨年は約50万円、そして今年は約100万円という資金が集まった。
「ヨットはマイナーな競技ですから、メディアに載らないような活動がSNS(※ソーシャルネットワーク)を通じて広がることができる、そのメリットを生かすことができたのではないかなと思います。お金を出したからといって何か見返りがあるわけでもないので、案件としては集まりにくいものだと思いますが、多くの人に援助していただきました。また昨年も今年も、企業からの資金協力や物品提供も同時に受けています。ただ、支援してくださる企業にはそれぞれ事情があって、毎年資金を出していただける保証はない。そうなった時でも活動を継続していけるよう、個人からの資金提供はとても重要なんです」

継続は力になる。決してスポンサーやサポートをした人に多くの見返りはないかもしれないが、子供たちの将来を真剣に考えてくれる大人たちによって今後も続いていく。
狭い世界から脱却し
可能性は無限ということを知ってほしい
単独無寄港世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」出場を目指す白石さん。
白石さんは、『大島チャレンジ!』のほかに、子どもや親子を対象とした海洋体験プログラム『リビエラ海洋塾』の開催などを通して次世代に自然の尊さや夢を伝える活動も行う中、2016年に行われるヨットで最も過酷とされる単独無寄港世界一周ヨットレース『ヴァンデ・グローブ』出場を目指している。

『ヴァンデ・グローブ』はフランスから始まるが、そのスタート地点に、児童養護施設にいる子供たちにも見に来てほしいという。その理由は、
「子供たちはまだ世界が狭いんです。狭い世界にいると異分子は嫌われる、そしたらいじめにもなる。狭いところに閉じ込められれば不平不満も出てきますからね。やはり、冒険家という立場でいうと、子供たちに海・山・川と世界はもっと広いんだというところを見せてあげたいです。こんなに広いんだ、可能性は無限大だっていうものを感じとってほしいですね」

ヨットに乗り様々な世界を見て経験してきた白石さんだから伝えられる「世界の広さ」。子供たちの胸に忘れられない言葉や体験として残っていくだろう。
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