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~海外ゴルフツアーの『結果ではない』情報を発信~
[米女子ツアーで増える日本企業]

2015年4月1日10時00分

World Golf TOUR Reports
~海外ゴルフツアーの『結果ではない』情報を発信~
[米女子ツアーで増える日本企業]

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宮里藍など日本勢が低迷
しかし米女子ツアーで日本企業の大会スポンサーが増加中の“ワケは?
写真・Getty Images
写真・Getty Images
文・武川玲子(Reiko Takekawa)
Vol.1



 2015年1月、米フロリダ州から開幕した米女子ゴルフツアー。今季メジャー初戦は、4月2日に開幕する“ANAインスピレーション”で迎える。ANAとはもちろん日本を代表する航空会社の1つ『All Nippon Airways』つまり全日本空輸のことだ。長らくクラフト・ナビスコ選手権として親しまれてきた大会だが、同社がタイトルスポンサー契約の終了を機に生まれ変わった。

 同大会は米カリフォルニア州で開催される。ここは、砂漠の中にある一大ゴルフリゾートで、冬の避寒地として長くハリウッドスターにも愛されてきた土地柄。毎年当地のミッションヒルズCCで開催されるメジャー大会は、女子のマスターズともいわれ、華やかな大会の1つとして知られている。

 米女子ツアーは一時、前コミッショナーの誤った舵取りと景気後退で人気が低迷、日本企業のスポンサーも減少していたが、ここ数年は復活の傾向にある。メジャーは『リコー』が全英女子オープンを、タイでは『ホンダ』が、日本では日米共催で『ミズノ』がスポンサーをしている。そして、昨年からは『ヨコハマタイヤ』が、米アラバマ州で開催の大会と新規契約、“ヨコハマタイヤLPGAクラシック”が開催されている。

 日本でも宮里藍、宮里美香が主戦場としており人気のあるツアーだが、とはいえ2012年を最後に日本勢は優勝から遠ざかり、低迷しているのが実情。これらの日本企業が米女子ツアーを選ぶのは日本を意識したものではなく、全米のみならず全世界に向けて自社をアピールしたいと考えたからだ。

 実際ANAと米女子ツアーは、トントン拍子で契約に至った模様。日本では誰しもが知っているこの航空会社も、世界ではまだまだ知られていないのが現状だ。5年後には東京オリンピックも控えており、日本への旅客は必ず増加するのだから、この好機を逃すわけには行かない。知名度を上げるためにスポーツイベントのスポンサーというのは最高のツール、また開催場所も同社が就航するサンフランシスコ、ロサンゼルスが近いというのはANAにとっては好都合だったというわけだ。
メジャー初戦の大会スポンサーになったANA。世界に向け自社のブランドをアピールしていく
メジャー初戦の大会スポンサーになったANA。世界に向け自社のブランドをアピールしていく
 米女子ツアーもこの好機を逃さなかった。現コミッショナーのマイク・ワン氏は辣腕ビジネスマン。同社を大会スポンサーにしただけではなく、オフィシャルエアライン契約も締結。同ツアーは北米だけでなくアジア、オーストラリア、欧州と転戦するわけだから、まず選手たちに同エアラインを経験してもらおうという意図が見られる。
 ヨコハマタイヤもブランド力を上げるために、米女子ツアーを選択した。同社はすでにNBA(米プロバスケットボールリーグ)、NFL(米プロフットボールリーグ)、MLB(米プロ野球リーグ)のいくつかのチームをサポートしているが、タイトルスポンサーとなるとその注目度はまるで違うもの。

 “ANAインスピレーション”のお披露目会見では、ワン氏が自らパイロットに扮して華々しく発表。この辺りが今の米女子ツアーの人気がある要因の1つ、この模様は全世界に放映されたからANAにとって願ってもない宣伝となった。日本企業が世界にアピールできる場となった米女子ツアー。東京オリンピックを見据え、今後も日本企業の進出が増えそうな予感がする。

■プロフィール
武川玲子(たけかわ・れいこ)ゴルフジャーナリスト。
米国を拠点に、米PGAツアーと米LPGAツアーを中心に精力的な取材活動を続けている。2011年にはベストゴルフジャーナリスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。

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