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2020年4月15日17時17分

【プロ野球選手からサラリーマンへ】 元日本ハムファイターズの荒井修光さんが人材プログラム『文武両道場』を通して”得たこと”とは?

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元プロ野球選手、荒井修光さんに話を聞いた


スポーツの教育的機能を活用した人材プログラム『文武両道場』。

これは企業の管理職候補者を対象に、2日間にわたり、初めて会う複数のバレーボールチームから集まった学生選手たちの監督に就任し、『チームの勝利(優勝)』と『選手たちの満足度』の両立という困難な課題に挑戦するというもの。

2日間を終えた後には、約6カ月間定期的にフィードバック面談を行いながら、その経験を通じて会社でのマネジメント能力を高めることに繋げていく。今年で4年目の第四期は、2019年7月から20年2月まで実施され、三菱地所、全日本空輸(ANA)、日本財団、茨城県など12社の社員や職員が参加した。

そんな中、元プロ野球選手が1名参加していた。それは、1995年ドラフト2位で日本ハムファイターズ(※現・北海道日本ハムファイターズ)に入団し、2003年に現役を引退した荒井修光さん。引退後は、日本ハムの球団職員に転身。現在は、事業統轄本部エンターテイメント・クリエーション部アカデミーグループのグループ長として働いている。なぜ、今回参加をすることを決めたのだろうか。

「私がグループ長を務めるアカデミーグループでは、元プロ野球選手などがコーチとして子供達の指導にあたっています。そのコーチ陣にも色々な知識をインプットする機会が必要だということで、この『文武両道場』を主催しているWaisportsジャパンの松田裕雄さんに研修をお願いしていました。そのときに、今回の事を教えていただき、参加を決めました。

野球とバレーボールは違いますが、自身のプロ野球での経験が、どのように伝わるのか期待と楽しみがありました。実際に、短い時間の中で成果を出すという中で、最適な選択をできたかなと考えるとできていませんでした。“別の方法もあったなんじゃないか?”と思うところも結構ありましたね。しかし、こういうことに“気がつく”ことが、大きなポイントだったと思っています」
複数のバレーボールチームから集まった学生選手たちの監督に就任し、『チームの勝利(優勝)』と『選手たちの満足度』の両立という困難な課題に挑戦した荒井さん
荒井さんの部署では、現在10名が働いている。この時、管理職の立場として『どのように部下をまとめていくか』、迷いがあった時期だったという。

「部署内での目標がある中、ゴールにたどり着く過程において、一人一人違う意見を持っていると思うんです。個々ともう少しコミュニケーションをはかり、隠れている感情といった“見えていない部分”を見ていくということが、足りていなかったと本道場を通して、気がつきました」
嫌だった
“元プロ野球選手”の肩書を武器に
荒井さんは戦力外通告を受け30歳で引退。しかし、球団から『職員として働いてほしい』と言葉をかけてもらい北海道日本ハムファイターズに就職。そして3年間は、日本球界に復帰した新庄剛志さんの専属広報務めていた。

その後、グッズなどを製作するマーチャンダイジングの部署に異動。34歳にして、初めてサラリーマンとして、スーツを着て仕事することになった。

「当時は戸惑いだらけでしたね。パソコンも仕事に必要な部分だけは、やらなきゃいけないという感じで必死でした。その3、4年後には、グループ長をすることになりました。凄く恵まれていると思うと同時に“やるしかない”という決意に満ちたものがありました。

しかし、当時は自分が元プロ野球選手だったという事を言いたくありませんでした。一社員として見られたかったんです。もう野球選手ではなく、この会社のサラリーマンとして生きていけなければいけないと切り替えました。決意はしたものの、もし8年間の選手生活がなければ、社会人としてもっと成長できていたかもしれないと、考えてしまう時期もありましたね」
『文武両道場』をきっかけに自身の野球人生を振り返ることができたと話す
ただ、この道場をきっかけに自身の野球人生を振り返ることで、葛藤していた気持ちに変化が現れた。

「バレーボーラーたちを監督している時に、やはり自身が現役の時に“どのように指導されていたのか?”、“どのような行動をとっていたのか?”考えながら、指示を出していたんです。私は、過去を振り返る事は好きではないんですけど…それが“大切”だという事を身にしみて感じました。やはり、過去の経験の積み重ねが今の自分自身。野球人生をもう1回振り返れた6カ月間は、私の中で凄く大きな出来事でした」

『文武両道場』を通して、マインドを変えるきっかけになったと話す荒井さん。今後は、”元プロ野球選手”という肩書を武器にしていきたいと笑顔を見せてくれた。

取材・文/太田弘樹
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