Home > 特集・連載 > 23歳の若さで賞金女王に輝いたボートレーサー大山千広さん 「本当に頑張れるのは“今”。だからこそ全力で試合に向き合います」(後編)

2020年2月26日16時48分

23歳の若さで賞金女王に輝いたボートレーサー大山千広さん 「本当に頑張れるのは“今”。だからこそ全力で試合に向き合います」(後編)

  • LINEで送る
ボートレーサー大山千広さんに話を聞きました


男女が同じフィールドで戦う数少ない競技『ボートレース』。新たなヒロインとして注目されているのが、24歳の大山千広さん。元ボートレーサーの母・博美さんの背中を追いかけ、高校卒業後にその道を目指し、2015年にデビュー。19年には、G1レディースチャンピオン初出場初優勝を果たすなど、獲得賞金5600万円を突破し、23歳の若さで賞金女王を獲得。そんな彼女に、ボートレースのこと、自身のキャリア、将来について話を聞いた。

取材・文/太田弘樹
撮影/市川亮

男子レーサーに真っ向から
挑戦できることが一番の魅力
ボートレースは、男女が同じフィールドで競う数少ない競技。現在、ボートレーサーは約1600人にいるが、女性は218人と全体の約15パーセントと少ない(※2020年1月20日現在)。そんな中、大山千広さんはその“戦い”に真っ向から挑戦している。

「男女が同じフィールドで争えることが、ボートレースの魅力だと感じています。ただ最近は女子レーサーの人気が上がり、女子だけのレースが多いのが現状です。しかし、女子全体の実力を上げようと思ったら、男子レーサーと走らないと上達はしていきません。女子と男子、一緒に競いますけど実力の差って凄くあります。

例えば技術的な話になりますけど、ターンのスピード、舟の向き方・進入角度とかが少し違いますね。それが筋力だけではなく、動体視力とかも関係しているのかなと思います。やはり数多くの男子レーサーとレースで競い、体感しないと分からないんですよね。

今は成績を出していることで、トップレーサーたちと同じレースに出場できるチャンスが増えていて、日々自身のレベルが上がっていると実感できています」

男子レーサーには中々勝てないが、勝つ時もある。大山さんは自身の勝利が、女子レーサーたちの刺激になってくれれば良いとも話してくれた。
“一生ボートを第一優先にしない”
ボートレーサーとしてのキャリア
ボートレーサーは、他のスポーツよりも選手寿命がとても長い。最年長は72歳の高塚清一さんと、一生を懸けて続けられる可能性を持つ特異な競技。母であり、元ボートレーサーの博美さんも52歳まで現役を続けた。

現在24歳の大山さんは、ボートレーサーとしての自身のキャリアをどのように考えているのだろうか。

「具体的に考えることはとても難しいんですが、いずれは“結婚をして子供が欲しい”と漠然的に思っています。ただ、そうなるとボートから離れなくてはいけません。やはり、子供ができれば最低でも1年間のブランクが空きますし、2人目って考えればそれ以上になりますよね。

正直、一生ボートを第一優先にすることは考えにくいです。家庭を持てば、優先順位も色々とライフスタイルに合わせて変わってくる。だからこそ、本当に頑張れるのは“今”であって、本当にあと数年なのかなと考えています」

出産で長期間戦線を離脱した女子レーサーは、最も下位のランクからの復帰となっていたが、2016年に規定が変更。現在は女子レーサーの活躍が認められ、復帰ランクは最下位でも離脱前と同じランクのレース数を確保できるようになった。

しかし、大山さんは復帰をしたときに、高いモチベーションを持ったままレースをこなすことは難しいかもしれないと考えている。だからこそ“今”を全力で戦っている。最後に、今後の目標を聞いた。

「やはり、SG(※ボートレースで一番グレードの高いレース)で優勝することが目標です。ただ、結果だけついてきても意味がないなと思っています。だからこそ、きちんとした実力をつけたい。そして、優勝できたら本当に嬉しいですね!」
大山さんは、SG(※一番グレードの高いレース)で優勝することを目標としている


(プロフィール)
大山千広(おおやま・ちひろ)
1996年2月生まれ、福岡県出身。ボートレーサーである母・博美さんに憧れて、小学校4年生の時にボートレーサーになる夢を持つ。高校を卒業後養成所に入り、2015年デビュー。18年最優秀新人賞を獲得。19年8月には、G1レディースチャンピオン初出場初優勝を果たすなど、獲得賞金5600万円を突破。23歳の若さで賞金女王を獲得。輝かしい成績を挙げている。

※データは2020年2月26日時点
  • LINEで送る