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2019年4月11日17時46分

「ライトユーザーに向けたチケットデリバリー手段をICT技術で解消しました」電子チケット発券&マーケティング支援サービス業 河野貴裕さん(前編)

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知りたい!就きたい!スポーツの仕事
連載20回目~電子チケット発券&マーケティング支援サービス業編~
playground執行役員事業推進担当、河野貴裕さんに話を聞いた


2020東京五輪に向け「スポーツ業界で働きたい!」と思っている学生や転職を希望している人が多くなる中、どんな職種があるの?どんなスキルが必要なのか?など分からないことが数あり、仕事の実際を知ることが意思決定には重要となる。そこで、スポーツを仕事としている人にインタビューし、仕事の“あれこれ”を聞いた。

playground 株式会社 執行役員 事業推進担当
名前:河野貴裕(こうの・たかひろ)さん
職業歴:2017年~

仕事内容
・電子チケット発券サービス導入に向けた提案
・電子チケット発券サービス導入先への活用支援
・システム、サービスの開発、改善

取材・文/斎藤寿子

150社を回り見えてきた
エンタメ界の問題
デジタルテクノロジーを駆使し、現在エンターテイメント業界に変革をもたらしているplayground(プレイグラウンド)。創業のきっかけとなったのは2年前。同社が開発した電子スタンプを電子チケットとして活用したいという問い合わせが殺到したことにあった。

“これほど多くの問い合わせをいただくということは、需要があるのではないか?”

そのことに気づいたのが営業責任者として従事していた河野貴裕さん。そこでエンターテイメント系の企業に足を運びリサーチ。音楽関係、スポーツ関係、チケットエージェンシーなど150社ほど回ると、国内のエンターテインメント界に共通している問題が判明したという。

「日本における電子チケットは、以前からニーズも十分にあります。ところが実際は…というとあまり普及していません。未だにスポーツ観戦やライブに行く時は、紙チケットを持っていく人が多いのです」

QRコードやアプリで電子チケットを購入することが注目された時期があったものの、それほどの広がりを見せてはいない。その原因として、QRコードは簡単に複製することが可能で“偽チケット”が売買されるリスクがある。加えて、アプリはダウンロードをしてログインする過程に“面倒くささ”がつきまとう。そんな中で、課題解決に注目されたのが、先述した電子スタンプ。これを利用し、2016年12月からウェブベースの電子チケットソリューション『Quick Ticket(クイックチケット) by MOALA(以下、Quick Ticket)』をスタートさせた。

当初は、部署の一事業として行われていたが、次々と大手のエンターテインメント系企業から導入の話があがったため、一つのビジネスとしての可能性を見出し、2017年『Quick Ticket』を主力事業とするデジタルファームplaygroundを設立。国内エンタメ業界に革命を起こすべく、電子チケット発券サービスの提供を始めた。
プロ野球チーム
埼玉西武ライオンズが本格導入
埼玉西武ライオンズの試合で『Quick Ticket』を利用し入場している様子
現在、音楽、スポーツを中心に、6000回以上のエンタメイベントに『Quick Ticket』が導入されており、プロ野球チーム・埼玉西武ライオンズの試合もその一つだ。ペナントレースは年間140試合以上あり、その約半数が本拠地であるメットライフドームで開催。しかし、平日の観客数は約7割にとどまっていた。そこで、観客動員数を増やすための対策の一つとして、球団が注目。

「球団が観客動員数を増やすために考えていたのは、ライトユーザーへの対策でした。すでにコアなファンはしっかりと定着していて、球場にも足を運んでくれる。あとは“興味があるけど球場には…”というような人たちを、いかに向かわせられるか、ということでした」

“行ってみたい!”という気持ちになっても、チケットを手にする方法が面倒であった場合、そこでやめてしまうというケースは少なくない。時間も労力も手間がなく、手軽にチケットを手にすることができるようにするにはどうしたらいいのか…。そんな“ユーザー向けのライトな購入手段”として白羽の矢が立った。

2017年度に数日間テスト導入した球団は、2018年2月のオープン戦から本格導入に踏み切った。2018年のシーズン終了時点では、ウェブでのチケット購入者の約20パーセントが『Quick Ticket』を利用するようになった。球団側は、蓄積される入場者・来場者データのマーケティング活用にも期待しており、2019年度の『Quick Ticket』利用率を30パーセントまで引き上げることを目標にしているという。(前編終わり)


(プロフィール)
河野貴裕(こうの・たかひろ)
早稲田大学卒業後、大企業向けERPパッケージソフトメーカーワークスアプリケーションズにてEコマース領域の企画提案営業を担当。大手小売、アパレルメーカー、化粧品メーカーなどに対してCRM、コールセンター、マーケティング、SCMのシステム提案を担当。2015年からはオムニチャネルコンサルティングファーム、Leonis & Co.の営業責任者に従事。2017年6月にエンタメ業界に特化したデジタルファームplaygroudの立ち上げに参画、執行役員に就任。現在は電子チケット発券クラウドシステム『Quick Ticket』の事業推進に従事。HP:playground
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