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2018年1月5日14時00分

「パラアスリートを支援することが日本社会の将来を支えるものになると感じています」パラアスリートの技術支援 小平美帆さん(前編)

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知りたい!就きたい!スポーツの仕事現場
連載13回目~パラアスリート技術支援編~
ブリヂストンイノベーション本部の小平美帆さんに話を聞いた
2020東京五輪に向け「スポーツ業界で働きたい!」と思っている学生や転職を希望している人が多くなる中、どんな職種があるの?どんなスキルが必要なのか?など分からないことが数あり、仕事の実際を知ることが意思決定には重要となる。そこで、スポーツを仕事としている人にインタビューし、仕事の“あれこれ”を聞いた。

ブリヂストン イノベーション本部
イノベーションマネジメント部 調査研究ユニット 主任部員
名前:小平美帆(おだいら・みほ)さん
職業歴:2016年~

仕事内容
・選手の悩みをヒアリング
・現地での調査
・パラアスリートの用具研究・開発

取材・文/斎藤寿子
現場で見えてきた
パラアスリートとの親和性
五輪のワールドワイドパートナー、そして東京2020パラリンピックのゴールドパートナーであるブリヂストン。ブリヂストンサイクル、ブリヂストンスポーツのグループ会社と、同社が世界に誇るタイヤや自転車・スポーツ用品に関する技術を駆使し、パラリンピックを目指すアスリートへの技術支援を行う新プロジェクトを、2017年10月に正式発表した。

今回は、新プロジェクト立ち上げの経緯や具体的な仕事内容について、ブリヂストンのイノベーション本部イノベーションマネジメント部、調査研究ユニット主任部員の小平美帆さんに話を聞いた。

イノベーション本部のコンセプトは『ブリヂストンの技術を活用して、世の中の“困りごと”を解決する』こと。様々な現場に足を運び、困りごとを吸い上げ、ブリヂストンで可能なことを模索するのがミッションだ。そのひとつとして、パラリンピックを目指すアスリートたちへのサポートを開始することになった。

「実際にパラアスリートたちに接して分ったのが、障がいの種類や程度が一人一人違っていて、体の使える機能も動きも異なる中で、それぞれ違う用具を使って競技をしているということでした。そして、パラアスリートに話を聞いてみると、なかなか満足度の得られた用具に出合えていないことがわかりました。そこで、私たちに何かできることはないか、ブリヂストンだからこそできることがあるのではないか、と考え始めたのがきっかけでした」

まず始めたのは、現場での調査。

直接アスリートたちの話を聞くことはもちろん、義肢装具士や車いすメーカーの技術者から用具の仕組みについて学び、アドバイスを受けた。さらに競技会場へ足を運び、実際のレースやゲームではどのように用具が使用されているのか、アスリートたちはどう感じているのかを確認。

そんな中、パラアスリートが使用する用具には、ブリヂストンの強みであるゴムや高分子材料が使われていることや、例えばゴムと他の物が接する部分で、動きを制御するところがあることから、同社の技術がパラアスリートのパフォーマンス向上に結び付くのではないかと調査を始めた。

「タイヤ開発では、タイヤと地面の接地部分に働く力を制御することが重要です。それと同じで、例えば義足ランナーの場合、義足のソールの部分が地面に接地しています。『これは、自分たちの技術が大いに役立つ分野』ということに気づき、プロジェクトが具体的に動き始めました」
もともと知的財産の業務を手掛けていたという小平さん。自身は中学時代から運動部に所属するなど体を動かすことは好きだったものの、仕事ではスポーツとはほぼ無縁の世界にいた。

現在のイノベーション本部に配属となったのは、2013年。当初、主な業務は将来予測から事業に関する影響の有無を調査・分析することであった。イノベーション本部内のイノベーションマネジメント部に配属となったのが2016年11月。そこで初めてスポーツ、パラアスリートの仕事に携わることとなった。

「障がい者というと、確かに人数が決して多くないですが、超高齢化が進む日本社会において、障がいのある方というのは、ある意味私たちにとって先輩でもあると思うんです。そうであるならば、パラアスリートを支援することが、日本社会の将来を支える一助となるはず。このプロジェクトは、一時的なものではなく、そうした将来性を見込んだ意義あるものだと感じています」(前編終わり)

HP:チームブリヂストン
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