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2017年10月27日21時00分

タイガー・ウッズのプロ20年間の価値は約840億円。しかし今年の下降は避けられない

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ザ・プレジデンツカップに副主将として、久しぶりにコースに姿を現したタイガー・ウッズ。ゴルフファンからは、プレーをする選手よりも大きな声援が飛んでいた。写真・Getty Images
World Golf TOUR Reports ~海外ゴルフツアーの『結果ではない』情報を発信~Vol.10

文・武川玲子

“5年で3000万ドル(約35億円)”

1996年8月、タイガー・ウッズが全米アマチュアゴルフ選手権3連覇を達成後、プロ転向を表明すると“ナイキ社”と契約。これが推定された金額だ。

当時、最年少アスリート最高額の契約と大きくスポーツ界を賑わせた。翌年にはマスターズを制して、あっというまにスーパースターとなった。それから21年が過ぎたが、米フォーブス誌の2016年時点でのウッズの資産は、7億4000万ドル(約840億円)だった。

つまり、ウッズが築いてきたゴルフ界における功績が、この金額に反映されているわけだから、ウッズの20年間の価値は“7億ドル”ということになる。

「もしウッズがケガもなく、女性スキャンダルもなく勝ち続けていたら…おそらく2倍以上の資産、15億ドルが見込まれただろう」

と米メディアは報じている。

では果たして来年発表される2017年のウッズの価値はどのように評価されるのだろうか?

昨年12月にウッズ・ファンデーションが主催する『ヒーローワールドチャレンジ』でツアー復帰を果たしたのも束の間、年明けの連戦計画も2試合目の欧州ツアー『オメガドバイデザートクラシック』で再び腰痛を悪化させて棄権。4月上旬に4度目となる腰の手術を受けた。それから現在に至るまでリハビリが続いている。

加えて、今年5月末にはフロリダ州の路上、車中で眠っているところを“DUI”(アルコール、または薬物などの影響下での運転)で逮捕され、世界中に激震が走った。

“服用する痛み止めの薬の影響だった”とアルコールや薬物の使用はなかったと公表したが、逮捕当時の衝撃的な写真やビデオが公開。全盛期のウッズとはかけ離れていたから、彼にとって相当なマイナスになるのは避けられそうにない。
スポンサーも大打撃を受けることに
一方で、契約のあったスポンサーたちにも莫大なマイナスが生じたと試算されている。

“同年12月、ウッズがしばらくツアーから休業宣言をすると、スポンサー企業の株価が大きく反応”と、カリフォルニア大学デービス校経済学科が発表。契約を結んでいたAT&T、ジレット、ゲータレード、ナイキなど十数社、これらの企業の株価が、約2週間で2.3パーセントの下落だったという。

これを金額にするとなんと120ビリオン=1200億ドル、日本円にすると1兆円を超えるなというなんとも天文学的な数字となった。それくらい広告の影響というのは大きいわけだ。とはいえウッズの人気が凋落したかというと、決してそうではない。

9月末からニュージャージー州で開催された世界選抜と米国選抜の対抗戦“ザ・プレジデンツカップ”に副主将として、久しぶりにコースに姿を現した。集まったゴルフファンからは、プレーをする選手よりも大きな声援が飛んでいた。

今年のウッズの価値が下がるのは避けられないが、来年以降上昇するかは今後の動向次第。

「ようやくドクターからゴーサインが出た」と100パーセントのスイングができるようになったSNSで発信。昨年と同じく早ければ12月、バハマで開催される『ヒーローワールドチャレンジ』あるいは年明けの『ファーマーズインシュアランス』が復帰の有力候補。

“復帰するかもしれない”というニュースだけでゴルフ界が大きく賑わう。これこそが本当のウッズの価値なのだろう。
■プロフィール
武川玲子(たけかわ・れいこ)ゴルフジャーナリスト。米国を拠点に、米PGAツアーと米LPGAツアーを中心に精力的な取材活動を続けている。2011年にはベストゴルフジャーナリスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。
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