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2017年3月9日11時08分

「スポーツ界に就職をしたいと思う人がたくさんいるから、その橋渡しになる仕事をしたかった」スポーツに特化した人材紹介業 河島徳基さん(前編)

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知りたい!就きたい!スポーツの仕事現場
連載10回目~スポーツに特化した人材紹介業編~
スポーツに特化した人材紹介業を行うRIGHT STUFFの河島徳基さんに話を聞いた
2020東京五輪に向け「スポーツ業界で働きたい!」と思っている学生や転職を希望している人が多くなる中、どんな職種があるの?どんなスキルが必要なのか?など分からないことが数あり、仕事の実際を知ることが意思決定には重要となる。そこで、スポーツを仕事としている人にインタビューし、仕事の“あれこれ”を聞いた。

RIGHT STUFF取締役
名前:河島徳基(かわしま・のりもと)さん
職業歴:2005年10月~

仕事内容
・企業側に営業し求人情報を獲得
・求職者に対して面接を行い企業側と繋げる
・会員増加のため定期的にセミナーを開催

取材・文/太田弘樹
プロ野球再編問題から見えてきた雇用の現実
スポーツ業界で働きたいが、求人情報が少ないスポーツ界では、それを見つけるのも一苦労。そのニーズにターゲットを絞り、スポーツ求人に特化した情報サイト「SPORTS JOB NETWORK」を運営しているのが河島徳基さん。企業の求人情報をどのように探すのか、企業と人材をどのようにマッチングさせるのかなど、スポーツ界で働きたい人を何人も転職や就職に導いてきた河島さんに、仕事の内容を詳しく聞いた。

小中高と野球を行い、大学に入れば陸上と、青春時代は“スポーツ一色”という中で育ってきた河島さん。大学時代には経営学科に籍を置いており、起業をしたいという想いが強くなったことから「トレーナーっていうのもある種個人事業主」だと考え、卒業後は、勉強のため米国の大学院へ進学。

その後、米国のアスリート専用トレーニングジムで働き、2年後に帰国。日本でもパーソナルトレーナーを続けていたが、2002年に『阪神タイガース通訳募集』という広告を発見し応募。その結果、見事に合格し、阪神タイガースの職員として働くことになった。

「通訳、そして営業部でも働く機会がありました。とても楽しかったのですが、契約は1年で、更新されるか、されないのかが、毎年あります。やはり、不安定だなと思いました。タイガースで一生お世話になるという気持ちもそこまで強くなかったので、どこかで辞めなくてはいけないと思いながら、2年目以降は働いていましたね」

そんな中、野球界に大きな転機が起きた。それは『プロ野球再編問題』。2004年に、大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブが合併されると発表。パリーグの球団が1つ削減することになり、50年ぶりに新球団として、東北楽天ゴールデンイーグルスが設立されたのだ。

「新たに誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスでは、営業職の募集をしたときに、約8000人が受けに来たと聞きました。スポーツビジネスに興味があり、仕事をしたいと感じている人がこんなにも多くいるんだと、とても驚きました。そんなに需要があるなら、落ちた人の中から面白い人材を見つけて、スポーツ界で働かせれば、業界全体が盛り上がるじゃないかと思いました」
人材をビジネスにすることは初めての経験
会員を増やすために、スポーツ業界で働いている人たちをゲストに迎えたセミナーを積極的に開催している
“スポーツ業界に就職・転職を希望している人に、スポーツの求人を紹介していきたい”という考えを抱いた河島さん。2005年のオフに阪神タイガースを辞め、同年10月にスポーツに特化した人材ビジネスをやろうと、現在の会社「RIGHT STUFF」を、米国で同じジムで働いていた福田龍秀氏と共に2人で設立。起業して、一番苦労したことは『人材紹介ビジネスの始め方』だったという。

「トレーナー、通訳、営業っていうところで働いてきたので、まず人材をビジネスにするノウハウがなかったことは、結構大変でしたね。資格を取り、人材紹介業をするということを厚生労働省に申請しなくてはいけません。行政書士の方に協力いただいたりもして、手続きは苦労しましたね」

そして、もう一つの難関は『どのように人材紹介業をスタートさせ軌道に乗せていくか』。

「当然ですが、求人を探している企業とその人材がいなければ、ビジネスはスタートしません。企業のほうは、本当に人づてでいろんな人にとにかく会いました。あとは、ホームページ上で求人を載せているような企業があれば、連絡を入れて掲載の話をするなど、そんなことをひたすらとやっていましたね。人材は、会社設立と同時に立ち上げたサイト「SPORTS JOB NETWORK」で会員登録を促していました。あとは、当時SNSで「mixi」が出てきたころだったので、そこでスポーツに興味のありそうなところに向けて、告知などをしていましたね。また人を集めるために、スポーツ業界で働いている人たちをゲストに迎えたセミナーを積極的に開催しました。当時は、こういったセミナーは中々なかったので、結構反応が良く、そのセミナーに参加してくれた人が会員になるという形で増えていきました」

会員を増やすために、力を入れていたのがセミナー。スポーツチームで働く人や新聞記者、トレーナーなど多くのスポーツ関係者を呼び、徐々に会員数は増加。現在では、約2万5000人が登録する大きなサイトとなった。(前編終わり)
(プロフィール)
河島徳基(かわしま・のりもと)さん
1973年生まれ。学習院大学経済学部卒業後、渡米して大学院で学んだ後、アスリートの専属トレーナーに。帰国後、東京でパーソナルトレーナーを務めた後、阪神タイガースの通訳や営業部を経験。2005年にスポーツ特化の人材紹介会社であるRIGHT STUFFを設立。著書に「スポーツ業界の歩き方」がある。HP:SPORTS JOB NETWORK
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