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2018年1月19日16時17分

プロゴルファーを辞めた宮里藍が進む 『セカンドキャリア』とは?

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宮里藍の次のステージは?写真・Getty Images
World Golf TOUR Reports
~海外ゴルフツアーの『結果ではない』情報を発信~Vol.11

2018年、宮里藍が『セカンドキャリア』に向けて、動き出すのかもしれない。

昨年9月、フランスで開催されたメジャー大会、エビアン選手権で彼女の競技ゴルフ生活にピリオドを打った。11月、地元の沖縄に戻っていた宮里を訪ねたが、なんともリラックスした、清々しい笑顔だったのが印象的だった。

「とにかくプレッシャーがなくなったんです。こうして過ごしてみると自分が今までどれほどプレッシャーの下にいたのか、改めて感じました」

と話す。日本ツアーで2年、米女子ツアーで12年、計14年間もの日々を戦ってきた宮里にとっては、ようやく訪れた穏やかな日々。世界に羽ばたいてきた羽を休めるかのように、最後の試合以降は、両親の居る沖縄、東村で過ごした。

引退後はどのように過ごすのかを何度も訊ねられたが、その度に“まずは残された試合をしっかりと戦いたい。その後のことは、そのあとにゆっくりと考える”と答え続けてきた。だからこの3カ月余りの時間は、ゆっくりと思考を巡らせていたに違いない。
過去の名選手のキャリアは
『大会』や『アカデミー』など多彩な活動を行っている
さて、米女子ツアーを引退したトッププロたちは、今どのように『セカンドキャリア』で活躍しているのだろうか?

まず筆頭に挙げられるのは、長らく女王として君臨していたアニカ・ソレンスタム。2008年末、38歳で現役を退いたがそれ以降も多彩な才能を発揮している。引退後には、彼女にとって2度目となる結婚をすると、夫のマイク・マックギー氏は、ビジネスパートナーにもなる。

米国での拠点となるフロリダ州オーランドで“アニカアカデミー”を開校。自身のブランドのゴルフウエア、フレグランスも展開し、現役時代から始めたゴルフコース設計もアジア地域を中心に現在も進んでいる。さらに、テレビ解説を務める一方で、料理好きが高じてその腕前をテレビでも披露。二児の母でもあり、仕事と家庭を両立している。

2010年、世界ランキング1位の28歳で現役を引退したロレーナ・オチョアは、引退後に航空会社の幹部アンドレス・コネサ氏と結婚。すでに三児の母となっているのだが、母国メキシコのゴルフ発展や教育への援助に、尽力している。特筆すべきは、現役時代にスタートさせた米女子ツアーの公式試合“ロレーナ・オチョア招待”。母国メキシコでの開催で、世界のトップ選手約30名が出場できる大きな大会となっている。

そこに、毎年メキシコからの新人を数名招待し、トップ選手と同じフィールドでプレー。メキシコでの女子ゴルフの発展に大きな力となっている。それ以外にもチャリティトーナメントを世界中で開催、オチョア基金を設立し、子供たちの教育に力を注いでいる。その若さゆえにツアー復帰への期待が強かったオチョアだが、残念ながらプレーする姿はほとんど見られていない。しかし、昨年は自身の主催する大会でエキシビションでのプレーを披露、今後はその姿がもっと見られるかもしれない。

さて話しを本題に戻そう。宮里が描く『セカンドキャリア』は“なんとなくだけどロレーナ・オチョアのような、そんなイメージを抱いている”のだという。

12年間過ごしたカリフォルニア州の自宅は、そのまま拠点として残すので、これからは日米の女子ゴルフの架け橋となる何かを創ることができるのではないだろうか?

「ロレーナという良いお手本がいる。まだまだ手探り状態だけど、彼女にはいろいろ聞いてみたいことがあります」

という。例えば、日本女子ツアーで米女子ツアーとの共催で”宮里藍招待”という大会ができるかもしれない。そして、宮里にとってはスランプから脱出する大きな助けとなったメンタル理論“ビジョン54”を日本でも広めたいという気持ちはさらに強まっているから、これからはその準備を具体的に進めていくのではないだろうか。

最後に、ソレンスタムもオチョアのようにセカンドキャリアのパートナーが、宮里にも見つかることを大いに望んでいる。

“女性としての幸せも掴みたい”と言葉にしていた宮里。昨年の引退発表のように、今年は新たなサプライズニュースが飛び込むことに大きな期待をしつつ、彼女の新しい人生を楽しみに待ちたい。
■プロフィール
武川玲子(たけかわ・れいこ)ゴルフジャーナリスト。米国を拠点に、米男子ツアーと米女子ツアーを中心に精力的な取材活動を続けている。2011年にはベストゴルフジャーナリスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。
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