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2016年2月4日12時00分

「めんどくさいことをやらなければ勝てない」 森川陽太郎氏だから分かった横峯さくらの変化 ゴルフ米女子ツアー挑戦1年目の真実(後編)

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16年シーズンも米国で横峯さくらのサポートをする森川陽太郎氏。写真提供・リコレクト
元サッカー選手でスペインやイタリアでプレーした経験のある森川陽太郎氏。 引退後27歳でリコレクト社を設立。「OKラインメンタルトレーニング」というトレーニング方法で、スポーツ選手中心にメンタルサポートを展開している。2015年、プロゴルファーの横峯さくらが米女子ツアーに挑戦。そのサポートをするために、夫でもある森川氏も1年間米女子ツアーに帯同。共に戦い抜いた米女子ツアー初挑戦は、どのようなものだったのか話を聞いた。今回は後編。前編はこちらから!
1つ1つの積み重ねが大事
8戦連続で予選を通過しているなか迎えたメジャー大会ザ・エビアン選手権(15年9月10~13日・フランス)。そのときに、横峯さくらはパターを変更。結果は、初日80と大きく出遅れ、予選落ちした。

「パターなど、ギアの部分は僕に分からないフィーリングがあると思っています。でもそれまで1試合、1試合積み重ね良くなってきていたパターを、メジャー大会でいきなり変える。それは欲なんですよね。もっと上位に行きたいから、道具を変更したみたいな…そこで気が付いたのは『階段抜かししないこと』だったんです。本当に1つ1つ積み重ねていく大切さを肌で感じました」

シーズン終盤は、100ヤード以内のショットが良くなっていったという。それは、長い間ちゃんと積み重ねて練習をしていた結果が形となった。そして、もう1つ再確認したことがあった。それは『めんどくさいことをやる』。

「例えば練習。調子が良ければ20分で終わるけれど、調子が悪ければ3時間かかってもそのときの課題を終わらすようにしました。パターなど入らないときは、入らない原因が必ずあるので、課題を終わらせてから帰るというのを毎日行いました。とても面倒ですけど…問題や課題をその日のうちに解決する。逆にいえば、日本にいたときは横峯本人のフィーリングだけで練習を終わらせていました、それでは米国で勝てないんです」
選手と同じ経験をできたことが大きな財産に
1シーズン米女子ゴルフツアーに帯同できたことは大きな経験になったという
横峯のサポートをしている傍ら、他の選手もサポートをしている森川氏。時には夜中に起きスカイプを使用し、日本やヨーロッパにいる選手をサポートした。多忙な1年を過ごした米国での生活で何を得たのだろうか。

「やはり現場に出て、色々なことを体験・体感できたことは、僕の中で凄く大きなことです。選手としてイタリアやスペインに行った経験はありましたが、やはりメンタルトレーナーとして、1年間海外にいれたという経験は今後必ず活きてきます。移動や食事など、選手の体感していることを、私も一緒に体感できた。100パーセント理解するということは難しいですが、同じ経験をしたことで、より選手がいっていることが分かるようになりました。ズレなく感じられるようになれたとうのは、すごく大切な部分です」

新たな『気づき』を得られた森川氏。今年も横峯のサポートをするために、1年間米女子ツアーに帯同することを決めた。昨年経験したことを活かし、まず1勝。そして横峯が掲げるシーズン3勝を目標に戦う。

横峯のように日本で地位を確立してから海外に挑戦するパターンもあるが、2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、ジュニア選手が海外に挑戦することが、多くなってくるだろう。最後に『海外で戦う』ということにおいて、メンタル面でどのようなことを心がけ競技に臨むべきなのか、アドバイスをもらった。

「結果に意識を向けることです。海外に行き、大変なことを味わっていることで満足感を得てしまうということが多くあります。やはり試合で結果が出ているのか、出ていないのか、そこにこだわりを持つことが大切です。今、この環境でこれだけ頑張っているからOKではなく、結果を出せているかどうかです。言葉、環境、食べ物など、海外のほうが国内よりも逃げ道が多くあります。その中で、どれだけ『結果』に意識を向けられるかが何よりも重要です」

取材・文/太田弘樹
(プロフィール) 森川陽太郎(もりかわ・ようたろう) 1981年4月7日生まれ、東京都出身。元サッカー選手でスペインやイタリアでプレー。その後心理学やメンタルトレーニングを学び、27歳で株式会社リコレクトを設立。「OKラインメンタルトレーニング」という独自のトレーニング方法を展開。著者に「絶対的な自信をつくる方法「OKライン」で、弱い自分のまま強くなる」や「ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則」を持つ。HP:リコレクト
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