Home > 特集・連載 > パフォーマンスアップを目指すアスリート必見!川口美喜子教授の栄養学連載(6)「胃腸が弱い人にスポーツ選手が多いのはなぜ?」

2015年12月25日12時00分

パフォーマンスアップを目指すアスリート必見!川口美喜子教授の栄養学連載(6)「胃腸が弱い人にスポーツ選手が多いのはなぜ?」

  • LINEで送る
教えてくれる先生・川口美喜子さん(大妻女子大学家政学部教授)
文・大場真代

スポーツ選手にとって水分補給は欠かせないものです。
人間の体の50〜60パーセントは水分で占められています。成人の場合、だいたい1日に2.5リットルを汗や尿などで水分を排泄しているので、同じ分だけを補給するのがよいといわれています。

しかし、アスリートは夏の暑い時期やハードな練習をこなしている時はのども渇くので、多くの水分を摂取してしまうときもあるでしょう。それがもしかすると、胃腸の不調につながっているかもしれません。

消化管が弱いスポーツ選手は多くいます。それは、全身を循環している血液が関係しています。血液は全身の細胞に栄養や酸素を運び、二酸化炭素や老廃物を体外へ運び出す働きを持っています。このほかにも体温の調節や水分代謝の調整など、多くの重要な役割を果たしています。 しかし、トレーニング中には筋肉や心臓へ多くの血液が集まるために、胃腸への供給量が減少して、その分消化管には負担がかかります。

体の免疫機能の70パーセントは腸が担っているので、腸の働きが弱くなると、免疫力が低下したり、そのため風邪を引きやすくなったりします。  
冷えた飲み物は控える
もともとこうした胃腸にとって不利な状態である上に、水分を取り過ぎることで胃酸が薄まり、胃の働きも弱ってしまうことがあるのです。

胃酸が薄まってしまうと、ビタミンB12の作用が落ちて、鉄分の吸収が悪くなってしまうこともわかっています。連載5回目でお話したように、せっかく自分に足りないものを知って鉄分をたくさん摂ったのに、その効果が半減してしまうのはもったいないですよね。  

そのために大切なことは、あまりにも冷えた飲み物は控えること。さらに一度に大量に飲むのではなく、少しずつ補給することが大切です。

また、水やスポーツドリンクだけではなく、食事からも水分は摂取できます。水分の取り方を工夫することで胃酸が薄まることを防ぐことができますのでぜひ実践してみてください。  
【先生のプロフィール】
川口美喜子(かわぐち・みきこ)さん
大妻女子大学家政学部教授、管理栄養士・医学博士。1957年生まれ、島根県出雲市出身。専門は病態栄養学、がん病態栄養並びにスポーツ栄養。2004年4月島根大学医学部附属病院栄養管理室長、2005年5月島根大学医学部附属病院NST(栄養サポートチーム)の構築と稼働、2007年4月特殊診療施設臨床栄養部副部長、2013年4月より現職。
  • LINEで送る