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スポーツの仕事現場 プロカメラマン島田幸治さん(後編)

2015年10月28日08時00分

「営業し仕事を増やし1回の単価も数万円と上がっていきました」
スポーツの仕事現場 プロカメラマン島田幸治さん(後編)

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知りたい!就きたい!スポーツの仕事現場
連載5回目~プロカメラマン編~
バレーボール東レアローズのオフィシャルカメラマンを務める島田さん
写真・KOJI_SHIMADA/TORAY-ARROWS
フィルムからデジタルカメラへ移行
それがきっかけで仕事が増える
島田さんはもちろんモータースポーツに興味があったが、自身が学生時代にバレーボールをしていたこともあり、スポーツを撮影したいという思いも強かった。

「たまたま一番初めの仕事が少年野球の試合だったんですよ。そこで色々なスポーツ専門カメラマンと知り合いになり、駅伝やマラソン、アメフトなどの撮影に同行させてもらうことがありました。その中でバレーボールを撮影していた方がいて、一度会場に連れ行ってもらって撮影をさせてもらったんです。そしたらその人に「撮れてるよ」ということをいわれ、バレー界のなかでも様々な人と繋がっていきました」

仕事は順調に増えていった。しかしそれでも、カメラだけで生活してくのは辛かった。1日仕事しても数千円程度、毎日仕事があるわけでもない。何とかしなければと思い始めたのが雑誌編集だった。

「写真だけでは食べていけない。しかし、飲食など違う業種で働いてしまったら自身の成長に繋がらない思い、雑誌の編集補助を行いながら、写真を撮っていました。雑誌なので、もちろん写真も多くみる機会がありましたし、文章もヘタクソですが書きましたよ」

そんな生活が98~2001年の3年間続いた中で、カメラ界で大きな変革が起きた。それがフィルムからデジタルへの移行だった。

「プロユースで使えそうなデジタル一眼レフ(EOS-1D)が発売されて、そこでメーカーから借りてみたら、格段に画質が良かったんです。結構高かったんですが、次の日に即買いしました。最新の機器をいち早く導入したことで、ビジネスチャンスの拡大に繋がったことは確かでしたね」

フィルムでは、撮影はしたもののその場で写真を確認できない。それに対してデジタルカメラはその場で確認でき、データとしてクライアントに渡せる。パソコンで仕事をすることが急激に増えていったことで、デジタルカメラが重宝されるようになった。島田さんの仕事の幅はさらに広がり、国際的なスポーツ大会のオフィシャルカメラマンに抜擢されることもあった。

転機となったのが2003年の結婚。家族ができたことで、より収入を得なければと思い、自身で色々なところに営業に行き、仕事を増やしていった。

「仕事の依頼も増えましたが、それと同時に仕事1回の単価も数万円と上がっていきましたね。写真だけの収入は、01年の時から比べて3~4倍になりました。個人で行っていますし単価というものはないので、まずはいい値なんです。そしてその仕事をやってみて、ちょっとこの値段だったらきついなと感じてきたら、交渉しますね。もしくは、先方から『単価は安くない?』などいってくれることもあります」
撮影だけではダメ
社会人としてのマナーが重要に
バレーボール撮影は難しく1試合で何千枚も撮るという
写真・KOJI_SHIMADA/TORAY-ARROWS
カメラマンは撮影したものを使用してくれる会社があるからこそ収入を得れている、そのことを忘れてはいけない。島田さんは大学在学中から、会社で働くという経験をしたことがとてもプラスになったという。

「会社の中にこもっているだけではなくて、外に出て対会社との打ち合わせにも行っていました。官庁や大手の会社などもあったので、ビジネスマナーを勉強できたことが今となってはとても大きな事柄でしたね。現在、企業スポーツチームの撮影を専属で担当させてもらっていますが、そこでも企業との付き合い方を社会人のときに経験しているので、どのように話せばいいのか、コミュニケーションの取り方などある程度対応できていると思います。そういった大手の企業の人と対等に話ができるようになっていたことで、仕事も広がっていきましたね」

最後に、この仕事に就くにはどのようなスキル・経験が必要なのかを聞いた。

「体力・目上の人を立てる・自身の社会人としての成長が挙げられると思います。あとは、なるべく我を出さないことでしょうか。有名になれる職業でもあるので、自慢して回りが見えなくなってしまう人もいました。調子に乗らないで、何があっても冷静に対応するということが大切ですね。また、学生や普通に就職した人けどカメラマンという職業をあきらめきれないと思っている人は、試合会場に行き、カメラマンがどのような動きをしているのか見て勉強するというのも必要なのかもしれません」

取材/文・太田弘樹
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