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スポーツの仕事現場 プロカメラマン島田幸冶さん(前編)

2015年10月21日17時50分

「会社を辞めて約半年で写真事務所を設立。もちろん仕事なんて全くありませんでしたよ!」
スポーツの仕事現場 プロカメラマン島田幸冶さん(前編)

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知りたい!就きたい! スポーツの仕事現場 連載5回目
~プロカメラマン編~
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2020東京五輪に向け「スポーツ業界で働きたい!」と思っている学生や転職を希望している人が多くなる中、どんな職種があるの?どんなスキルが必要なのか?など分からないことが数あり、仕事の実際を知ることが意思決定には重要となる。そこで、スポーツを仕事としている人にインタビューし、仕事の“あれこれ”を聞いた。

職業:スポーツカメラマン
名前:島田幸治(しまだ・こうじ)さん
年齢:43歳
職業歴:18年


仕事内容
・写真データの管理
・(編集者など)チームとして一緒に現場に行き撮影
・クライアントへの営業
『やる気があればできる』
その言葉が後押しに
自然や風景、動物や植物、はたまた戦場など色々なところを主戦場として活躍するプロカメラマン(写真家)、もちろんスポーツにも専門のカメラマンがいる。現在、バレーボールやゴルフ、バスケットボールなど様々なフィールドで活躍する島田幸治さんに『撮る』を職業にした経緯を聞いた。

「カメラマンになった経緯はとても異色なんです。専門学校を卒業したとか、誰かに師事してアシスタントとして修行したとか、そういうことは全く経験してないんです」

高校を卒業し、大学は夜間で建築学部に入学。昼は親が経営している貿易会社などで働き、夜は勉強と忙しい毎日を過ごしていた。3年生の終わりに卒業後は親の会社を手伝うことを決めたが、一身上の都合で会社が閉まることになってしまい、建築関係の仕事に就くことになった。

カメラマンになるきっかけとなったのは、就職して3年目の秋。元々海外に行き、そこでクルマやバイクのレースなどを観戦するのが好きだったことから、レースを撮影している人の写真展に行き、そこでたまたま主催のカメラマンと話す機会があったのだ。

「今思えば恥ずかしい話ですが、私がインスタントカメラで撮影したものを見せたんです。そしたら『こんなところから撮れるんだ? 知らなかった』とか『ここどうやって入ったの』とか話をしてくれました。そこで無謀にも『僕にもできますかね?』といったんです。そしたら『やる気があればできるんじゃない』といってくれて、冗談半分だったと思うんですけど、それが結構心に響いたんです」

-やる気さえあればできる-
その言葉が半年経っても胸の中に残っていた。『よし辞めよう』と決心し1997年3月末に退社、夏ごろに一眼レフカメラを初めて購入し、色々な撮影を自身で試み97年11月に『島田幸治写真事務所』を設立した。
「カメラマンは特に資格というものはないので、やりますといえばそこからスタートです。もちろん仕事なんかまったくありませんでしたよ。最初は、アルバイト情報誌で『カメラマン募集』という広告を見て、日雇いのアルバイトから始めました。でもそのアルバイトのおかげで人脈が広がりました」

そこには様々なカメラマンが登録していた。
撮影現場などを共にして顔見知りが増えていく中で、その人たちに『荷物持ちでもいいので現場に連れて行ってほしい』と頼み同行、次第にアシスタントとして使ってもらえるようになり、半年後には一人で撮影を任されるようになった。一眼レフに触れてから1年も経過していない、そして教えてくれる人がいない中で、実際撮影する技術はどのように覚えていったのか。

「職場の先輩についていったときに(撮影の)動き・撮り方を見ていました。そこで、いつの間にか撮影の方法とかなんとなく目で盗んでいたんでしょうね。あとは下地があったと思います。大学時代建築学科にいたので、建物を見てその建造物の詳細や特徴、美しさなどディテールを数多く見ていいものを参考にしていました。見て切り取るという作業は、カメラで何かを撮影するということにどこか共通するものがあったと思っています」
2001年の国内で行われたサイクルレースの国際大会を撮影したときのもの。当時はまだフィルムだったという
写真を撮影してきてはいなかったが、実際建物や建築写真、そしてクルマやバイクのレースなど人一倍見てきたことで『何をどう切り取るのか』ということが自然と身についていた。

取材/文・太田弘樹
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